最近、お通じの具合はどうですか?
…今、こう尋ねられたら、あなたはどんな風に答えるでしょうか。
クリニックで診察するときに、この質問を患者さんにしています。
ほとんどの人から返ってくる言葉が「普通です」というもの。
「普通、○○だよね」
こんな表現をするとき、たいてい何か異質なものがあるはずです。
それはおかしいよ、普通はこうだよ、といった比較が言葉の裏に隠れています。
お通じは普通…そう答えたとしたら、やはり何かと比べているのだと思います。
ですが、「何か」とは、なんでしょう?
他人と一緒にトイレに入って、出た便を見比べるなんていうことはまずありませんよね。
人がどんな便を出しているのか、それと比べて自分はどうなのか、とはならないはずなんです。
もしかしたら、普段の自分の排便状況と大して変わらない、という意味の「普通」かもしれません。
でも医師には、「あなたのいつもの排便状況」はわかりません。
なのに、「普通です」と答えてしまう方の、なんと多いことか。
質問しておいて申し訳ないのですが、この「普通です」はあてにならない回答。
どう答えていいのかわからず、とりあえず口にしてみた言葉かもしれないですしね。
おなかの調子が悪くて胃腸科にかかるときには、お通じの様子を答えられるようにしておきましょう。
色や形状、回数や量の増減も把握できているといいですね。
排便後に「すっきり!」という感覚があるか、それともまだ便が残っている感じが続いているか。
こんなところも説明できると、なお、良いでしょう。