幼少期の抗生物質投与とアレルギー


もう1つ、かつて行われた実験の話を。Oxfordでのことです。
1974年から1984年に生まれた数千人の子供に、生後数ヶ月で抗生剤を投与しました。
すると、アレルギーを発症した、という結果となったのです。
これを受けて、Julian Hopkin氏はこう記しています。
「アレルギーの発症にとって一番重要なのは、その子供が2歳以下の時に抗生剤を使用されたかどうか」

生まれた直後の新生児の腸内では、細菌が免疫を形成中。
そこに抗生物質を投与することで、細菌が殺されてしまい、腸内細菌数が減少。
腸内細菌叢に変化が起こり、アレルギー発症に繋がっていくのでしょう。

腸内に悪玉菌が増加すると、腸内の内壁や吸収幕(粘膜)に異常が起こります。
そこへ牛乳由来のタンパク質など、分解されていない大きなタンパク質が入るとアレルギーの要因となります。
2歳児の腸内細菌叢を大便で比較してみると、卵や牛乳にアレルギーがある子供は乳酸菌が減少。
さらに黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増加していました。

免疫システムが構築されることで、アレルギーを予防できます。
ここまでの話でわかると思いますが、そのシステムができる前に抗生物質を投与するのは避けたいもの。
ボクは子供さんに薬を出す場合に守っている原則があります。
どうしても抗生物質が必要と考えたときにだけ、一番古いタイプである、ペニシリンを使うこと。
ペニシリンは子供の肺炎などの原因となる菌に強い殺菌作用があり、耐性菌を作りにくいからです。
(耐性菌=薬に対して抵抗力を持ってしまい、薬が効きにくくなる)

子供が風邪を引いたので抗生物質を、というお母さんもいらっしゃいます。
そして、これは子供に限った話ではありません。
抗生物質は細菌には効果がありますが、風邪のウイルスには効果なし!
『風邪症候群』に抗生物質が必要なケースは1割程度という結果も出ています。
【抗生物質を飲んだ】イコール【風邪が治った】では決してありませんので、要注意。

イベント告知

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です