胃カメラするときって、
おなかを空っぽにして受けますよね。
でも、普段のおなかはそんな状態じゃないんです。
食べ物の未消化物や便のもとが入っているはず。
すっかり空なんてのは滅多にないことです。
そこで、こんなお話を、
患者さんにさせていただきます。
「国体道路(福岡市で混雑する名所)、
週末…特にバーゲン時期は渋滞しますよね。
じゃ、なんで混むんだ?
…原因を調べよう!なんてことで、
そこを閉鎖して隅々まで調べる、としますね。
この状態が、【胃や大腸のカメラをする】って同じことなんです。
では、その道路を調査した結果はどうだったでしょう。
『綺麗なものでした。道路に穴なんかないです。走りやすい道です。
それなのにどうして渋滞するんでしょうねぇ…舗装しときますか?』
…いやいやいやいや、国体道路が混むのはバーゲンのせい!
道路に穴が空いてることが理由じゃない!ってツッコミたくなりません?
では、これをカメラ検査とその結果に当てはめてみましょうか。
『おなかを空っぽにしてカメラで見たけど異常なし』はつまり、
『道路を封鎖して調査したけど穴はなし』っていう結果と同じことなんです。
国体道路でいう渋滞の理由【バーゲン】にあたるものが、
カメラ検査では見つけられていません、ということなんですよ。」
…と。
おわかりいただけますでしょうか?
なぜこんな話になるか…。
それは「胃が悪い」という患者さんの言葉を、
プロの胃腸科医が真に受けたから、だと思うんです。
ですが、胃腸科医のトップが作った診断基準に、
「上部消化管症状がある場合」っていう文言があるんです。
その診断基準に従うと、患者さんが「胃が悪い」と訴えれば、
それはイコール上部消化管症状ということになってしまうんです。