一見、なんの繋がりがあるのか…と思う方も多いでしょう。
ですが、食生活の改善がうつ病の治療に大きく影響することがあります。
そうです。腸内環境によって左右されるのです。
うつ病と腸内環境の関係を示唆する文献は、枚挙にいとまがないほどに増加しています。
そもそも『うつ病とは』という概念についても、いろいろと考察が加えられています。
そんな中で注目を浴びているのが、腸内環境の改善なのです。
「腸内環境改善で、精神症状を改善しよう」…このような試みが実施されています。
また、実際に効果があることが次々と判明しているのです。
有名な論文の要約を以下に紹介いたします。
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腸内細菌が脳に及ぼす影響は多くの論文で証明されている。
腸内細菌は不安行動に関係するし、特殊な細菌フローラが脳の中枢神経系に働きかけることでうつ状態が起きる。
ある種の不安行動は腸内細菌を通じて子孫に伝えられることが、サルを使った動物実験で証明された。
一方、ストレスや、外科手術で人為的に引き起こしたうつ状態によって、腸内細菌フローラが変化する。
生後まもなくから抗生物質が反復投与されると長年に渡って腸内細菌が影響を受けるものの、投与中止すれば
ただちに回復する。
腸内細菌がトリプトファンとセロトニンに影響することで、ストレス対応力が増し、認識力が改善されることでうつ改善につながる。
過敏性腸症候群では腸内細菌バランスが変化することが知られている。
最新の研究では、ある種のプロバイオティクス(乳酸菌など)が心理状態を改善し、想像力を活性化させることが証明されている。
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The Gut Microbiome and Diet in Psychiatry: Focus on Depression
Sarah Dash; Gerard Clarke; Michael Berk; Felice N. Jack
Curr Opin Psychiatry. 2015;28(1):1-6.
もし、あなたの周りに「うつ病を治したい」と思っている人がいたら、ぜひ、一緒に食事をしてください。
寒い今なら、キノコ類をたっぷりいれた鍋料理を囲むのもいいでしょう。
そして、腸内環境を整えることが治る道筋の1つであることを教えてあげてください。
腸活の方法はいくらでもあります。食事の他にも、サプリメントや質のいい睡眠、運動などなど…。