風邪を引いた患者さんに対して、抗生物質をほとんど処方しないタイプの医師もいます。
また、ほぼ必ず処方するという医師もいます。
患者さんやご家族が希望されれば出す、という方もいるようです。
抗生物質は、細菌に効果が発揮されます。風邪のウイルスには効きません。
では何故、風邪の患者さんに抗生物質を出すのか。
それはウイルスで弱っているからだに他の細菌が入って悪さをしているためです。
その悪さのせいで違う症状を引き起こしていると判断して、ということのはずです。
そしてそのために抗生物質を必要とする患者さんは、1割程度。
抗生物質には、細菌を殺す、という役目があります。
そうです。【細菌を殺す】役目…腸内細菌も殺されてしまうのです。
善玉菌も殺されてしまい、数が減ってしまいます。
そうなると、腸内細菌叢の中のバランスも、悪玉菌が増え、乱れてしまいます。
この乱れが、下痢などを引き起こす場合もあります(副作用、ですよね)。
最近では、抗生物質の乱用により、耐性菌の問題も出ています。
耐性菌というのは、抗生物質も効かない菌のこと。
MRSAや耐性緑膿菌などの種類があります。
一時期、院内感染の話題などで耳にした方も多いかもしれませんね。
この細菌に例えば手術後の方や高齢者が感染すると、命を奪われかねません。
日本国内では、感染症学会などが、風邪に関して安易に抗生物質を使わないよう、警告しています。
子供の風邪に対してもそうです。
日本小児呼吸器疾患学会と日本小児感染症学会の診療指針を紹介しましょう。
溶連菌など、細菌感染が明らかな場合を除く大部分の風邪には、抗菌薬は原則として不要としているんです。
大人も子供も、不要な抗生物質はなるべく使わないことを心がけましょう。
良い腸内環境を保つためにも、とっても大切なことです。善玉菌を殺さないであげてくださいね。
また、それ以前にベリラクトなどを使って腸活を続けていきましょう。
腸と免疫力の関係を知っている皆さんであれば、何故かはすぐにわかりますよね。
風邪を引かないからだがあれば、抗生物質とは出会わずに済むはずですよ。